雑想世界　第１世界線

ドングリ崇拝 (ドングリすうはい、独:Anbetung der Eichel) とは、ブナの木・ブナに実るドングリを対象とする崇拝、もしくはそれらを人格化や神格化するアニミズムの一種である。ブナ崇拝とも呼ばれる。ドングリ崇拝は主にユテヴィア地域で広く信仰されており、同国ではカトリックが普及した現在も一般的に信仰されている。

ドングリ崇拝の対象は主にブナの木とドングリである。ドングリ崇拝ではブナの木をユテヴ人?の守り神と、ブナの木に実る木の実であり、ブナの木の苗となるドングリを神の子と見立てている。古代のドングリ崇拝は「ブナの木は守り神、ドングリは神の子」という原則こそ同じだが、教義などは集落ごとに違っていた。ユテヴ人の一部はドングリを食すリスなどの小動物を「神の子を苦しめる悪魔」とみなし、小動物を積極的に駆除しようとする動きがあった。一方でドングリを食す文化を持つ集落もあったとされる。現在では小動物を悪魔とする動きはなくなっており、「ブナの木は守り神、ドングリは神の子」という原則のみが残っている。

ドングリ崇拝の起源はわかっていない。8世紀ごろから9世紀ごろにユテヴィアにキリスト教が広められる以前にはすでにユテヴ人のほとんどがドングリ崇拝を行っていたとされる。カトリックの教えが初めてユテヴィアにもたらされたとき、ユテヴィア人は神の子とされるイエスを、同じく神の子とされているドングリに当てはめて考えたため、カトリックはすんなりと受け入れられた。教会もキリスト教をユテヴ人の諸集落に広めるのに便利だと考え、積極的に聖書の教えをドングリ崇拝と重ね合わせて布教した。
キリスト教と西欧文化はユテヴィアの生活水準を大きく向上させたが、国土の多くを森で覆われたユテヴィアではドングリ崇拝が廃れることはなかった。近世に入りナショナリズムの時代が到来するとユテヴィア人はドングリ崇拝を自身のアイデンティティだと考え一層これを信仰するようになった。当時ユテヴィアを支配下に置いていたオーストリア大公国ではユテヴィアの同一化政策が敷かれていたためドングリ崇拝は頻繁に弾圧の対象となった。現在でもユテヴィア人の多くはドングリ崇拝を信仰しているが、近年では若者を中心にドングリ離れが進んでいる。

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