雑想世界　第１世界線

カピバラはブラジル東南部を原産国とする世界最大の齧歯類でジャングルや水辺で生活している。雑食性哺乳類。アムハラ語では「ግዙፍ ወንዝ አይጥ（巨大な河ネズミ）」、ソマリ語では「Jiir bahal ah oo wabiga ku dhex dhuumanaya（河に潜む化けネズミ）」、ティグリニャ語では「ኣብ ማይ ዝነብሩ ተኽልታት ዝበልዕ（水草を貪るもの）」スワヒリ語では「Mtumishi wa Kiboko（カバの下僕）」ロシア語では「Вояное воплощение.（ヴォジャノーイ(スラブ地方に伝わる水の怪物)の化身）」と呼ばれている。
2022年に食用カピバラの全面輸入が解禁されると国内のカピバラ牧場では多くの食用カピバラが飼育された。中にカピバラと触れ合わせてから客に振る舞うカピバラ牧場が現れたため、動物保護精神が高いアクスム人、過激動物愛護団体、過激ヴィーガン団体がカピバラ牧場を襲撃しカピバラを脱走させた。
ブラジルと環境が似ているため、繁殖爆発を起こしビクトリア湖、タンガニーカ湖、トゥルカナ湖などの湖沼地帯、ジャングル地帯に野生化したカピバラ個体群が確認され環境省は対応に悩まされている。

フェルディナンス朝ブラジル帝国から動物園などの展示施設や研究施設での飼育目的で輸入されたのが初である。
アクスムではこれまで100頭以上のカピバラを飼育してきたが動物の管理が厳しいアクスムで脱走したことは無かった。1部の国立公園ではごく限られたエリアで環境省野生動物保護局による監視の下で放し飼いにされたケースが報告されている。
その見た目から広くアクスム国民に親しまれ多くのカピバラが動物園、水族館、自然公園で展示されている。しかし、1部のマニアが密かにカピバラを密輸して脱走させるケースが1995年から報告されておりアクスムには脱走カピバラの子孫が少なくとも約600頭逃亡しビクトリア湖やタンガニーカ湖で繁殖していたとされる。

アクスム国内では加工された食用カピバラや食用カピバラが制限付きだが輸入されていた。カピバラ肉が美味であり特に富裕層や南米からの移民者の子孫層などは好んでカピバラ肉を求めた。
国内では食用カピバラ牧場も作られブラジル帝国政府へカピバラ全面輸入解禁を求める運動が起きた。
2022年、ブラジル帝国からアクスム獣皇国へ食用カピバラの全面輸入が解禁された。
現在でもアクスム国内では食用カピバラは広く好まれている。豚肉を食べれないムスリムにとっては貴重なタンパク源である。

アクスム国内の牧場では食用動物に対しても敬意を払わねばならず虐待行為や不衛生な環境下での飼育は禁止されている。食用動物に限らず害獣指定された特定生物以外の虐待や快楽的殺害は法律で禁止さており違反者は懲役5年〜15年、罰金1000万アクスム･ルーブルの支払い命令、無期限の食用動物飼育禁止が下される。しかし、1部の業者がカピバラ牧場でカピバラを触れ合わせたりカピバラショーを行わせたあとそのカピバラ達を料理にする事案が発生した。謝肉祭であればこれらの行為は許されており違法カピバラ業者は謝肉祭と称してこれらの行為を繰り返していたが疑問に思った市民が動画投稿サイトやSNSにアップしたところ炎上した。
国営メディアなどの大手メディア、環境省･食糧資源省･内務省などの公的機関が介入する事態に発展した。これらのカピバラ牧場は全て認可されてない違法業者であることが発覚した。

動画投稿サイトやメディアでこの事実を知った過激動物愛護団体が違法カピバラ牧場を襲撃した。しかし、実際に襲撃されたカピバラ牧場は全て認定済のカピバラ牧場で違法カピバラ牧場の被害は0だった。どさくさに紛れ近隣住民が食用カピバラをその場でBBQする楊子も見られた。
過激動物愛護団体らは食用カピバラを湖沼地帯やジャングルに解き放ちその数は約300頭に及んだ。特にビクトリア湖周辺では180頭の食用カピバラが解き放たれた。

ビクトリア湖にら少なくとも200頭の野生化したカピバラの個体群が確認できる。南米の環境に適しており餌となる魚類や水生植物が多数生息しているためカピバラの繁殖には最適であった。しかし、カバ･ワニといったカピバラの敵となる動物･爬虫類も確認されておりビクトリア湖のカピバラは他の地域に比べ伸び悩んでいるとされる。ビクトリア湖周辺の現地人はこれらを狩猟または飼い慣らして養殖し市場に卸している。